サクラノコエ
(14)母親


よく寝た。

久しぶりに、深い眠りについた感じがした。

温かい。

俺を包むやわらかい感触が心地いい。

守られているような安心感の中、俺はリビングでゆっくりと目を覚ました。

昨夜、家に帰るなりソファーに倒れこみ、そのまま寝てしまったらしい。

今日、何曜日だっけ?

確かオープン担当じゃなかったよな……

10時インだったっけ?

頭まで掛けられている薄手の羽根布団を軽く払い、布団から顔を出す。

まだ寝ぼけてはっきりしない頭のまま、何気なく壁の時計に目を向ける。
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