南トイレ
この街で笑顔以外の人を見たのは彼女が初めてだった。
「どこに行ったんだろう??」
すると後ろから声がした。
「なんで、あたしを見てたの?」
振りかえってみると、木の下の少女だった。
「えっ、えっと、俺は奈川あきら。あなたは?」
「私はラキ。なんで見てたの??」
「えーと、木の下で寝てたところを.....」
ラキは哀しそうな表情を見せながら言った。
「ぁぁ..そのときにね......。」
「どうしたの??」
と聞いてみた
彼女はなにも言わず、歩き出した。