幼なじみの初恋

るきあ様に

屋上へ行こうって誘われた時

すっごく嬉しかった。

脈があるんじゃないかって1人浮いてた。


でもるきあ様の心の中、

頭の中、全部全部

かけるで埋め尽くされていた。


好きな女の子を想って涙を流したるきあ様。

あまりにも泣いている姿が

綺麗で綺麗で、

かっこよくて、抑えがきかなかった。


押し倒すなんてなにやってんだろう。

るきあ様驚いてたけど

冷静だったような気さえもする。


私みたいな女は相手にされなかったんだろう。

かける以外考えられないって言ってたほどだもんね。


「かけるの家・・・行こうかな・・・」


この事を正直に言って

謝りたかった。

苦しいほど泣くほど辛い思いをしていた親友がいたのに

それを見て、裏では笑ってる自分がいた。


そんな酷い自分を償いにいくんだ。


「ふぅ・・・」


深呼吸をしてかけるの家のチャイムを鳴らす。


「はい」


出てきたのはかけるでも、

かけるのお母さんでもなくて


「るきあ様っ・・・」

「瑠亜ちゃん・・・」


なんでかけるの家に??

喧嘩して1年も口利かなかったのに・・・





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