君を想うと~triangle love~
キスされる!!!!!!






そう身構えていたのに。






グリン。





えっ…??






突然反転する私の視界。

気づけば目の前には白い壁。






「バカだね~。俺を煽ってどーすんの。」






桐谷慎は呆れたようにクスクス笑う。




「べ…別に…!!」

煽ってなんてないわよ!!!!






そう言おうと思ってたのに。







「ハイハイ。
ほら、もう寝るよ?」








桐谷慎は私の言葉をあっさり止めて。

静かな寝息を耳元でたてはじめた。









「…勝手な人。」








ホントに…しゅーちゃんとは大違い。







自分勝手で

わがままで

気まぐれで

エベレストのように高いプライドがあるかと思えば…

風のように自由。







こんな男、手に入れたいなんて思わない。

こんなつかみ所のない人、苦労するに決まってる。







頭では全否定する桐谷慎の存在。




だけど…





「スー…スー…。」





桐谷慎とこうしてると…落ち着く。

不思議なんだけど、こうしてることがものすごく自然なコトに思える。





アイツが言ってたように…気持ちいい。





アイツの体は私の体に添うようにぴったりで。
その感覚に目眩を覚える。








こんな感覚誰にも経験したことない。



肌と肌がくっついて


体のライン

骨格

アイツの体温

その全てが心地いいと感じるなんて。







こんな感覚、私は知らない。
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