君を想うと～triangle love～

その日は一ノ瀬は休みで。
伊織は一人で帰る…と言っていた。





水の中を気持ちよさそうに泳ぐ彼女に後ろ髪はひかれたけど。





待ち伏せするのも変だし、帰ろうと誘うのもなんだか変だし。






「じゃ…、気をつけて帰るんだよ!!お疲れ様!!」


「は～い!!お疲れ様でした～!!」









軽い挨拶を交わして、更衣室へ向かう。
パッと着替えて外に出ると…、伊織はまだ気持ちよさそうに泳いでいた。










魚みたいに気持ちよさそうに泳ぐ伊織を見ながら
、俺は帰り道を急ぐ。





今日は金がなくってチャリで来た。

部活で散々泳いだ後にシャカリキ漕がなきゃと思うとヘコむけど仕方ない。






校門を出て夕焼け空に向かう坂道を下る。

辺りは夕焼けにそまって目に映る全てのモノがオレンジ色に染められている。





こんな景色みながらならチャリも悪くないな…







なんて思っていたとき。






俺は明日提出しなきゃいけない書類を部室に忘れているのを思い出した。