君を想うと~triangle love~
どれくらいそうしてただろう。






あるのは後悔と胸の痛みだけ。

目の奥に映るのは“大好き”と微笑むアイツじゃなくて“大嫌い”と叫ぶアイツの泣き顔。








大切にしたいと。

何よりも大事にしたいと願うのにいつも俺は伊織を傷つける。

あの頃も今も。

その気持ちは変わらないのに。











ふと床を見ると転がるピンクの大きな袋。








あー…さっき投げつけられたヤツか……。










その袋はぎこちなくラッピングされていて。

不思議に思って封を開けると…





中にはアイツの好きな黄色いクマのぬいぐるみ。

それを取り出すと一番底にはピンクの封筒が入っていた。



カサカサと中を開けるとアイツの丸っこい可愛い文字が便箋いっぱいに並んでいる。





『しゅーちゃんへ

しゅーちゃんと遠距離になって3ヶ月。スゴくスゴく寂しいです。

電話をして声を聞いただけで切なくなって涙が出そうになるよ。

それに会えた時には飛び上がるくらい嬉しいのにしゅーちゃんが帰ると心にポッカリ穴が開きそう。




それに…ね?

いつもみんなの太陽みたいに優しくて明るいしゅーちゃんだから、他の女の子に取られないか、心配です。



しゅーちゃんが大好き。
本当に大好きだよ?



私はしゅーちゃんの側にいられないから、私の大好きなキャラクターのぬいぐるみをしゅーちゃんにプレゼントします。


これを見るたびに私のコト思い出してね。


いつも素敵なしゅーちゃんの隣が似合う、優しくてあったかい大人の女の子になるから…ちょっとだけ待っててね。


愛をこめて……
伊織より』
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