君を想うと~triangle love~
「…だから…。」







次の言葉を言い出せなくて。

苦し紛れに“だから”を繰り返していると祐吾さんは私の頭をポンポンと叩く。






「ごめんな。
キミはとってもイイ子なのに……。」






そう言って。

私を見る祐吾さんの目がすごくすごく優しいから。

私は思わず泣いてしまった。








「イヤな役回りをさせて…、ごめんな。」









祐吾さんは私の頭をポンポンし続け、肩を優しくさすってくれた。



そんな不器用な優しさにグッときてしまって。









「大…丈夫。
明後日は…羽田には行きません…っ!!!!!」








私は…

しゅうちゃんとの最後の糸を手放した。











好きだから。

好きだからこそ離れなきゃいけない時がある。

それが今だっただけ。

相手が…どうしても諦められなかった人なだけ。








そう…、自分に言い聞かせた。
< 303 / 468 >

この作品をシェア

pagetop