君を想うと~triangle love~
ポタッ

ポタッ



スカートの上に描かれる丸い大きなシミ。






「い、伊織っ!?」






突然泣き出したもんだからしゅーちゃんは慌てふためいてる。



オロオロしながら辺りを見回して。
カバンの中からハンカチを取り出して、すまなさそうに私の涙を拭う。




「わ、わるい。
迷惑だったよな。」




しゅーちゃんの…バカ。

鈍感。




「違うよ。」

「…へっ??」

「この涙は嬉し涙なの!!!!!」






そう言って。
私はしゅーちゃんの胸に顔を埋めて、彼の体をギュゥって抱きしめた。





厚い胸板に広い背中。
あの頃と同じ香水の香り。




「い、伊織!?」





バカ。
迷惑なわけないじゃん。





「勝手に決めつけないで。」


「えっ!?」


「忘れられなかったのは私も同じ…だよ。」


「……マジ??」





マジだよ。
大真面目だよ。


自分でもあきれてるんだから。


今時、初恋の人が忘れられない女がいるなんて…、ドラマの世界にしかいないと思ってた。



< 78 / 468 >

この作品をシェア

pagetop