散らないサクラ




「あ、お邪魔してるよ! 秋羽もトランプする?」



ホテルから部屋に戻ってくると、案の定、佐倉がいた。

しかも毎日通うことによって、仲良くなったコスモスの輩たちも一緒だ。


……もちろん、歩も、だ。



「総長、姐さん強いんっすよ? 今まで誰も勝ってないもんなぁ」

「ま、運の女神があたしに味方してくれてるんでしょう」

「秋ィ、やろうぜ? せっかく毎日足運んでくれてんのに、お前失礼だぞ」



姐さんと慕う輩に加え、歩となれば面倒が倍になる(馬鹿な連中)。


それに足を運んでくれと頼んだ覚えもない。

勝手に居座って、勝手にそこに存在しているだけの女に俺がいちいち出向く必要もない。


……だが、何処かで毎日ここに通ってくれる佐倉を見るたびほっとしている自分もいた。


ああ、こんな考えにも吐き気がする。



「……勝手にしてろ。シャワー浴びる」



冷たく言い放ち、風呂場へ向かう。

出てきた時に佐倉は帰ったようで、歩に小言を言われた(ウザすぎる)。




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