Parting tears
 空を見上げたまま、和哉は云った。


「俺、結麻ちゃんと友達になれて良かった」


「私も。和哉君といると楽しいし」


 そう答えると、和哉は私に身体ごと向けた。


「俺……結麻ちゃんに出逢えて本当に良かった」


 私は一気に恥ずかしくなった半面、嬉しかったので、それに答えた。


「私も……」


 私はその一言で精一杯だった。すると、和哉は私にキスをしたのである。時が止まったような長いフレンチキス。私は恥ずかしくて仕方なかった。キスは始めてではなかったが、和哉とのキスは始めてなのだから。

 それから、曇った空の下で長い時間、寒さも忘れ抱き合っていた。

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