午前0時のシンデレラ

何がどうおかしいのかと訊かれれば、上手く答えられないけど。


「…?どうした?お前何か変だぞ」


「べべべ別に普通よ!」


ただ、柳に対しての態度が、今まで通りにいかなくなっただけ。


…うん。ただ、それだけよ。


「それで?何の用?」


あたしは平然を装うと、柳に訊いた。


視線は、自然とその後ろの扉に向かったけど。


「ああ、遊園地行こうと思って」


サラリとそう答えが返ってきて、思わず柳を見てしまった。


「…は!?」


「だから、遊園地」


呆れたように繰り返す柳と、視線が絡む。


あたしは慌てて視線を逸らすと、気配で柳が近付いて来たのが分かった。


すると突然、腕を掴まれた。


「なっ、はなしてよバカ!」


「何もしてないだろ!やっぱお前変だぞ!?」


「普通だって言ってんでしょうるさいわねっ!」


柳の動きがピタッと止まり、あたしは恐る恐る顔を上げる。

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