午前0時のシンデレラ

…我ながら、よく頑張ったと思う。


あれだけあった問題集の最後の1問を解き終えると、あたしは机にバタッと倒れた。


「…燃え尽きた…」


うん。灰になりそう。


血が滲むような努力って、こういうことを指すのかもしれない。


「………」


達成感からか、急激に眠気が襲ってくる。


ぼんやりとした視界の端で、時計が22時に近付いていくのが見えた。


そのままゆっくりと、あたしは眠りに落ちていった。





―――…?



ここは、夢の中かな。


温かくて、居心地が良い。



扉が開く、キィ…って小さな音が、どこかで聞こえた。


誰か、入ってきた?


人の気配が、だんだん近付いて来る。


「…全部やったんだな」


やった?何を?


頭に、そっと誰かの手が添えられる。


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