午前０時のシンデレラ

「…さっき、アイツが言ってたことだけど」


…来た。

訊かれると思った。


池田は池田で余計なこと言うし、あたしも叫んじゃったし、仕方ないけど。


「…何が訊きたいの？」


あたしがそう言うと、柳は目を丸くした。


答えてくれるとは思ってなかったらしい。


「答えなくていいなら、答えないけど」


「…アイツとは、どういう関係？」


柳の真剣な瞳を見て、あたしは苦笑した。


そんなすぐに、核心に触れようとしなくてもいいのに。


「何？そんなにあたしのことが知りたいの？」


「当たり前だろ」


冗談ぽく言ったのに、柳が真顔でそう返してきた。


「…言ったろ。お前を変えてやるって」


柳の言葉が、あたしの中にストンと落ちる。


不思議と、柳の言葉に抵抗がなくなってきていた。


「あんまり、楽しい話じゃないからね」


あたしはそう言ってから、過去を話し始めた。