大好きな君にエールを
「わかった!」
でも、あたしの偉そうな態度を受け入れたかのように、荒ちゃんは返事をした。
「俺、絶対に念願のキャッチャーになって、甲子園の舞台で戦ってる姿を麻帆に見せてやる」
荒ちゃんの言葉が力強すぎて何も言えなかった。同時にあたしの心が震えた。
───……あたしも頑張らなきゃ。たまに先輩に勝って喜ぶんじゃなくて、毎回勝てるように頑張りたい。
今までのような練習じゃ、絶対荒ちゃんには追いつかない。いや、もう荒ちゃんとは何十メートルも差があるかもしれない。
今からでも間に合う?荒ちゃんの背中を、追いかけてもいい?
「荒ちゃん、あたしも頑張るっ」
自然と口が動いていたあたし。