大好きな君にエールを
気がつくと、夕焼けが広がる時間になっていた。
「夕焼け……きれいだねー」
と、空を見上げる麻帆は子供っぽくて、でもどこかドキッとさせる表情をしていた。
「まだ……一緒にいたいね」
夏休みはまだ少し残ってる。だけど、俺と麻帆が過ごせる時間は今日だけだ。
「……ごめんな」
「へ?」
「俺と付き合ったから……遠距離になっちゃってさ。傍にいれなくてごめん」
俺と付き合わなければ、麻帆には他の誰かがいたのかもしれない。俺じゃない誰かが……。
「何言ってんの、荒ちゃん」
麻帆が笑いながら言った。
「なに、らしくない台詞言ってんの?」
と俺の顔を覗き込んだ。