大好きな君にエールを





「な…にもないよ」


「嘘つかなくていいから。話せよ…な?」


隠せない。だけど…話したら泣いちゃいそうで、荒ちゃんを困らせちゃいそうで…


「あたし、う…嘘なんてついてないからっ!!」


つい、強気な口調になってしまった。本当は全然違うのに。


「麻…」


「ごめん…今、話したくない」


ブチッ。


荒ちゃんの返答も聞かずあたしは切った。


…なんてサイテーな彼女なんだろう。練習試合で負けて、荒ちゃんに八つ当たりするなんて…


絶対荒ちゃんに嫌われちゃった…次、電話が来たら…『意味わかんねぇし…別れよう』って言われちゃうのかな?


でも嫌われたのは確かかな。だってだってね…



────…荒ちゃんから『何があったか話してみろよ』って電話、かけ直して来ないから。







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