大好きな君にエールを





そして、シゲさんと同じ救急車に乗ることを諦めてバスに乗り込んだ。


シゲさんには、コーチとキャプテンが付き添った。


バスの中は静かだった。優勝したチームとは思えないほどの静けさだった。それも当たり前だ。いつものムードメーカーがいないんだから。


1年生は何が起きたかわからずキョロキョロするやつもいれば、コソコソしているやつもいる。


2・3年生は落ち込む…というかショックを受けているばかりだった。俺もその1人。


俺の隣に座っている永松は、いつもと変わらない無表情で窓の外を眺めていた。


今日までシゲさんのキャッチャーミットに投げ続けた永松。永松は今まで、シゲさんの異変に気づいていたんだろうか?


なぁ…外ばっか眺めてないで答えてくれないか、永松?







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