秘密の鎖

「「宮島せんせーっ!!」」


ドアを開けるなり、女の子達がわらわらと夕月さんを勢いよく取り囲んだ。

入り口で目をぱちくりとさせている私と莉沙なんか目に入らないようで、女の子達は夕月さんにアタックするのに必死だ。


「先生!今日もスーツ素敵ですね!」


「クッキー焼いてきたんです、後で一緒に食べましょ!」


「先生見て見て!髪型変えてみたの~、似合う?」


ここは幼稚園か!

と心の中でツッコミしていると、隣の莉沙の様子がおかしいことに気づいた。


なんかふるふると肩が震えて……


「莉沙、どうし…」


はっとして伸ばそうとした手を引っ込めた。

またまた正解。


「許せなーい!私の夕月さんにこんなにこんなに女の子がっ!」


ぽーん!と莉沙の何かが弾けて天に向かって吠えた。


いや、いつあんたのものになった。


莉沙は勢いよく私の方に顔を向けた。


「美緒!私も行ってくる!じゃっ!」


「莉沙!」


チャキッと敬礼すると、果敢にも女の子達の群れの中に飛び込んでいった。


ちょっとあんた誰よ!とか、新入りのくせに生意気!とか散々言われているにも関わらず莉沙はグイグイと前進していった。

< 142 / 230 >

この作品をシェア

pagetop