桃園むくげXX歳である。
横断歩道、21歳である。
その友人、手練であった。

理科の授業で出会ったロートに恋をした12歳
路上に並ぶ三角コーンが愛らしくて悶えた19歳

それらの感情が「円錐」に機縁することに気づいたのはいつの頃だったか。

護身具はピストルメガホン。
斎院あおい、キャバクラ嬢である。
よろしく。

キャバクラ嬢に枕とか寝るとか様々な呼び方で侮辱するものは多い。
本来そういう仕事は別の職名がつくのである。

常連客『信号機』が友人を連れて店にやってくる。
その友人、手練であった。

スノースタイルのソルティドッグのグラスの縁を舐める舌
少し前かがみになると瞳を隠す、長めの金髪が女の心をくすぐるわけである。

「あおいちゃんは、彼とは特別な関係なのかな?」

何度も聞く質問。私が寝ているのは『信号機』の息子ヒカルとだけである。
最近ヒカルは寝相が悪く、ライダーキックが得意だ。

私はカクテルグラスに沈んでいたチェリーを口の中で転がしながら
客ではない関係者となら。
と友人の黒い瞳を捉えたまま、真実を告げたのである。

その後、その男は私を下にして語る。

『信号機』がそばに特定の女を置いたことには意味があり、彼に復讐するなら本人よりその"女"を使った方が効果的であると。
さすが『信号機』。友人にも盛りだくさんに恨まれている男である。

男はとは、いとつたなし。かたはらいたし。
女は、いつまで男の喧噪のための道具なのであろう。

私の知っている『信号機』の脳内はいまも同性の思い人に充ちていて
ついでに言うと、こいつはもう客であるからプライドにかけて枕営業はお断りである。

ハイキックして転がしたあとに、真実を告げると彼は大爆笑した。

それから懲りずに彼は店へやってくる。一度の仕置きでは反省を知らない。マゾなのかもしれない。

「信号機」の数少ない友人

新しい私の常連客。白黒、表裏激しいジャニーズ顔。
横断歩道、21歳である。

一応

よろしく。
< 17 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop