君に恋した。
Ⅲ*屋上での一晩

密室

「ハクション!」


いろいろありすぎて、ぼーっとフリーズ。
気づいた頃には、もう夕暮れ。

4月後半と言っても、まだ日が落ちる頃になると肌寒い。

豪快なくしゃみが屋上になり響いた。

「寒…い。」
上着は、教室に置いてきちゃったし。
かと言って、扉しまってるし。

どうしよう…。
「しょうがない…。」

私は、しゃがんで身を縮めた。
それでも、寒かったけど、まだ突っ立っているよりかはマシだった。

(あーあ…。
こんな事になるなら、スカートの丈もうちょっと長くしとくべきだったな…。)

私と、あずだけの屋上は
コンクリートのせいもあってか


思った以上に寒かった。

バサッ。

突然、目の前が真っ暗になった。

(え?さっきまで太陽でてたよね?
日が落ちるの早すぎない!?)

いや、これは日が落ちたんじゃない。
何かをかぶせられただけだ。

(あ…、あずのにおいだ。)

かぶせられたのは、あずの上着だった。

「それ、着ときなよ。


女は体冷やしちゃダメだろ。


そ、れ、と。こっち来い。」

「わっ…!?」

あずは、突然私の手を引っ張った。
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