櫻桃~サクランボみたいな二人~


「言わなくていいよ。分かっちゃった」

「え?」

驚いている。

「光輝でしょ?」

「………うん」

やっぱり。

「貴女は、光輝のただのファンじゃなくて、本気で好きになっちゃった子…。でしょ?」

「…うん。1年の頃は、ただのファンだったけどね。2年から、だんだん…」

…悲しい顔だ。

絶対今、苦しいよね??

いろんな意味で。

「桃花さんが、彼女になったって聞いて…。もぅ…私…ゎたし…」

あたしが…この子を傷つけたんだ。

あたしが…。

「…ごめん。あたしのせいで、苦しんだよね?」

あたしは、謝り続けた。

「1年のとき、彼女でもないのにイチャイチャして…って思っちゃって」

「うん」

「2年では、もっとその怒りが増して…」

「うん」

「3年になって、だんだん貴方達の距離が近くなって…」

「……そんなに光輝の事、見てたんだね。あたしに負けないくらい、光輝が好きなんだね」

どれだけ苦しんだの??

どれだけ耐えてたの??

あたしのせいだ。



あたしの…。




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