彼女は双子!?

その生徒は…


「姜!?」


だった。


歯を食いしばって涙がこぼれ落ちないようにしているが瞳からは大きな涙がこぼれている。


気まずそうに視線を逸らすと小さく『ゴメン』とだけ言ってその場を去ろうとした姜。


俺の横を通り過ぎようとしたとき、腕を掴んだ。


驚いた視線を向けられる。


だいたい…


「俺がこんな状態の姜を放っておける訳がねぇだろ？　そんくらい分かれよ」


片手はパンや飲み物で塞がっているため頭を撫でようとしてもできないがそんな気持ちを込めて言葉にした。



まだ涙で滲んでいる瞳を俺に向ける姜。


俺は姜より背が高いので意識してなくても上目遣いになっている。


ぅﾞ…
その瞳、ヤバい…。


潤んだ瞳に上目遣いで泣いて体温が上昇しているのか紅い頬。


り…理性が………。



そうこうしていると屋上に続く階段から誰かがおりてくる足音が聞こえた。


そして姜の肩がビクッと震えたのを見逃さなかった。


何かがあったんだと思いこのままの状態で姜に授業を受けさせる訳にもいかないので仕方なく移動することにした。