涙が愛しさに変わるまで
だけど……あたしはなにも亮にこたえてあげることができてない気がする。
「夕日……綺麗だね」
「そうだね……」
あたしは亮を見た。
だけど亮はぼんやりと外を眺めているばかりだった。
「真依……?」
「ん?」
「好きだから。真依のこと。」
亮はその言葉だけ、しっかりあたしを見て言った。
真剣な瞳で……少し笑っているけど、どこか悲しそうな顔つきで。
「……ありがとう」
あたしは笑ってそう言うことしか出来なかった。