無口なDarling


そして、気が付くと猛と澄子ちゃんはいつのまにか恋仲になっていた。


もちろん猛が恋の相談などをしてくるはずもなかったけど、猛が同じ女の子に視線を向けていることに気が付いていたから。


そんな事今までなかったから、俺は密かに気づいていたんだ。


まぁ、付き合った時は学年中誰もがびっくりしていた。猛を狙っていた美人さん方は、相当ショック受けてたけど。



付き合っても素直じゃない猛はいつも澄子ちゃんとケンカをしている。
(ケンカと言っても、澄子ちゃんが猛が好きって言ってくれないー!!とか大騒ぎするだけ)



でも、その日は決まってお昼休みにバツの悪い顔をして澄子ちゃんが俺らの教室に入ってくる。



それを見た猛は、自分では気づいてないけど、すごい優しい顔で笑っている。


多分澄子ちゃんも気づいてないと思うけど、あの猛が女の子に笑うなんて、俺にとってはすごい事だと思う。



一回大喧嘩したらしく、全然喋っていなかったときは、あの猛が落ち込んでいたのにはびっくり。



携帯なんて普段全くいじらないくせに、(俺の連絡もよく無視する)携帯をパカパカ開いたり閉じたりして、連絡を待っているかのようだった。




そして、澄子ちゃんがちょっと他の男と喋るのを見るやいなや、授業中も関係なく連行。



帰ってくると大体澄子ちゃんの首筋には見せつけんばかりのキスマーク。


・・・学校でヤるなって何回も言ってるのに。



澄子ちゃんも澄子ちゃんで、猛にメロメロなわけで。



いっつもお弁当を作ってきては、猛なんか言ってた?美味しいって言ってた?と聞くのは日常茶飯事。



他の女は、猛のそんな姿を見て歯を食いしばっているようだけど。



澄子ちゃんの好き好きオーラに勝てる女はいないだろう。




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