無口なDarling
・・・猛がこっちに振りむいて、私の存在に気づく。
言い合ってる女の子と麻生君を無視して、こっちに歩いてくる。
おもわず、持っているお弁当を隠しながら来た道を戻る。
途中にある女子トイレのゴミ箱にお弁当を捨てる。
悔しいくらい奥に突っ込む。もう二度と私の手にも猛の手にも来ないように。
私が女子トイレに入ったことで、猛は私を見失ったみたいだった。
なので私は教室に戻る道を再び歩き出した。
「澄子」
Uターンしてきたのか、いつの間にか猛が私の後ろに来ていた。
やだやだ。来ないで。ううん、来て。
どっちなの・・・
体が勝手に止まれの赤信号を私に出す。
立ち止まった私に
「何」と一言呟く。
何って何よ?
「呼んだのは猛じゃん。べっ別に猛に会いに行ったわけじゃないんだからね!」
素直じゃない。
でも、悔しいんだもん。私ばっかり会いに行って、お弁当つくって、迷惑ばっかりかけて。
「ぷ。どもって言われても。」
ムゥ!!
「悪かったって。しかとして」
え?
「これで仲直り」
なにそのあっさりした感じ
私なんて一週間、ものけの殻だったんだよ?
でも・・・
猛から謝ってくれるのなんてすごく珍しい。
ここで仲直りできなかったらまたあの辛い毎日だもんね?
「あっあのね!迎えに来てくれたの・・・嬉しかったし・・・キスも・・・嫌じゃないの・・・」