無口なDarling


「猛~~!!帰ろう~!」


猛の教室のドアを開けて叫ぶと、顔を猛の大きな手によって掴まれ、そのまま引きずられた。


「猛~!?こけちゃうよ!!」


ズルズルと廊下を引きずられる私。


「っとに・・・本当にしゃべりなやつだな!」


痛くない程度にグイーっと首を絞められる。



げ。ばれてる~



「・・・えへ。嬉しくて、つい。」



私がそう言うと、猛は少し照れたようなため息をついて、手を握ってくれた。



「出発。近けぇんだから支度しろよ?」


さっきとは比べ物にならないくらい優しく笑う猛。



「うん!!」



こうして、私達の始めての旅行は幕を開けた。




< 50 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop