【中編】ひとつの愛



「……チュウしちゃったの」



えっ?



凄く驚いた。


碧と愛姫のキスの事だけじゃない。

自分自身の事もあったからだろう。



「流湖ちゃん?」

「あ、ごめんごめん。
いきなりキスとかビックリするじゃん」

「るっ、流湖ちゃん。声大きいよー」



また顔を真っ赤に染める。



「あっ、碧」

「ふぇ!?」



廊下を歩いて来た碧の名前を言うと愛姫は、急いで教室へと隠れてしまった。



「あ、流湖さん。
あのー、あいつ見ませんでした?」

「あいつって?」



ニヤッと笑いながら言うと少し頬を染めた碧が



「愛姫っすよ……」



照れて言う。



< 102 / 159 >

この作品をシェア

pagetop