【中編】ひとつの愛



「ほぼ毎回やってくれるよな、これ」



散らばった本を指差しながら、苦笑いを見せた碧君に



「ごめんなさい……」



そう呟いた。



「謝っても許さないけどねー」

「へ!?」



その言葉に顔を上げると、唇に優しいキスがひとつ。

すぐ離れてしまった碧君の唇は、



「これから失敗したらコレな♪」



とニヤッと笑った。



真っ赤になって口を押さえたあたしは、



「失敗したらって……」



罰なの?
それとも……失敗ばっかりしろって事?



とは、恐ろしくて聞けないのです(笑)





【END】




< 78 / 159 >

この作品をシェア

pagetop