あたしの王子様
  【羽亜サイド】

『第50回入学式を始めます。』

拍手が起きる。

『まず始めに、この学園の王と姫のことについて。―――。』

長い話が始まった。

私たちの役割、特別室の話だった。

『私からは以上。それでは、次にいきます。代表の王からの話です。』

また拍手が起きる。

「この学園の王になりました。稲ヶ崎水葉と申します。…」

10分くらいの演説で終わった。

そして、私の番が回ってきた。

『次は姫のお言葉です。』

コツコツとなり、私は生徒の前へ出た。

「この学園の姫になりました。水無月羽亜と申します。精一杯努力を致します。皆様のお役にたてたら光栄です。全力を尽くしますので、何とぞよろしく願います。」

『以上姫からのお言葉でした。』

拍手が起きた。

あんなのでよかったのかな?

不安を抱きながら席へと戻った。


「凄くいい演説だったよ。」

水葉に褒められた。

「そうだったかしら?」

「うん。凄くよかった。」
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