私 の 愛 し い 人 [ホラー]
得意げに話す愛しい兄‥

愛しい琉輝星‥‥‥。

『‥‥‥っ』

ぎりっと歯がないた。

机の上にあった日記を取り上げ無造作にカバンへと突っ込む。
ボールペンとプリ帳もカバンに入れわざと大きな音を出しもう一度、家から出て行った。

携帯で時間を確認する。
まだまだ約束の時間にはならない。

ボタンをゴテゴテの爪で操作し、電話をかける。

私の好きな曲のサビが何秒か流れて声がした。

「もしもし?
星愛?」

『あ、純?
今から家に行ってもいい?』

「え‥いいけど‥
いきなりどうした?」

『ねぇ‥純‥―』

私はなんの躊躇いもなく言う。
< 52 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop