私 の 愛 し い 人 [ホラー]
私はすぐにでも笑いたかったがただ冷たい目で星愛を見つめた。
泣きながら桜にされるがままに髪を切られ続けている。

髪を切られ終わった星愛はとても汚らしい。
みずぼらしい姿を見て琉輝星の胸に擦り寄りながら、くつくつと小さく笑った。

『いいか
そんな事ばっかりしてっと、こうなんだよ。

わがままも対外にしろ。』

桜はそう言いながらもボサボサには切らず、バッサリ切っただけだった。
ボサボサに切ればいいのに。

その後、啜り泣く星愛を皆無視しながら私を自宅まで送ってくれた。

琉輝星は何度も謝っていたが気にしていないと言っておいた。
実際、本当に殴られた事はどうでもよかったから。

家に入ると母が出かける準備をしていた。
そういえば今日出かけるって言ってたな。

『あら、早いわね。
遊園地行ったの?』

『ううん。

正之がね、仕事の話し行かなくちゃいけなくなったから‥
今日は中止になったの♪』

『その割にずいぶんご機嫌ねぇ』

ニッコリ微笑み自分の部屋へ入った。

部屋に入った瞬間、堪えていた笑いが一気に爆発する。

『くっ‥くくく‥
はははは‥あははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!』
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