キャッチ。
最後の夏。

過去。



「なぁ大輔。」



「んぁ?」



「進路決めた?」



「まだ。冬馬は?」



「大学行こうかな。」





高校生活のほとんどを部活に注ぎ込んできた俺たちも、今や3年生。


これからの進路について悩んでいるところだ。



K高は進学率、就職率ともに95%を誇る実績がある。


進学か就職か


いつまでも夢ばかりを追っていられる年でもない。


これからの人生も考えないといけない。




「……い。おい、大輔。聞いてんのかバカ。」



ちなみに今は授業中なので俺たちはボソボソ喋っている。



「……おい。人の話を聞けっての!!」


ガッ!!




「ってぇ…。何すんだバカ冬馬!!俺がバカになったらどうしてくれんだよ!!」



「てめぇは元々バカだろうが!!ふざけた事ぬかしてんじゃねぇよ!!」



「んだとぉ…野球バカに言われたくねぇよ!!」


俺は立ち上がって冬馬を指差しながらそう言った。



「お前の方がよっっっぽど野球バカじゃねぇか!!」


冬馬も立ち上がった。俺より頭1つ分デカイ為、俺は自然と見上げる形になる。



「くっ…無駄にでけぇんだよこのノッポ!!」


「はっ、うらやましいんだろ?チビ!!」

「てめぇら…そんなにわしの授業がつまらんのか?」

< 1 / 271 >

この作品をシェア

pagetop