嘘つき④【-理由-】
あたしの求める物が何なのか、
愁哉はすぐに見抜いた。
『分からないな。興味を向けないから欲しいのか?』
単調な声に苛つく。
『あなたに理解してもらう必要はないわ』
あたしは鼻で笑う。
『あなたこそ、あたしの協力無しでその地位につけると思っているの?』
あたしの自信たっぷりの言葉とは反対に、愁哉は冷めた顔で
『ああ、期待している。瑠香?』
馬鹿にした態度。
掴めない男。
今考えれば、
あたしは勘違いしていたんだわ。
愁哉の本心を。