異人の界
その目立たない容姿と同じように大人しい子だったが俺には最高に可愛く感じた。

野球部の補欠とマネージャー……、

きっと麻衣にとってエースやキャプテン、そんな格好良い響きは男を好きになる原因にはまるで関係なかったのかもしれない。

女に免疫のなかった俺に気さくに話しかけてくれ、そして応援してくれる。
俺はすぐ好きになった。
それにまだ高校生だったがいつか必ずプロポーズしよう、なんて考えてた。

別々の大学へ進んだのだが二人の関係には何の問題もなかった。
麻衣も俺といて本当に楽しそうにしてくれる。

当然お互いの両親には紹介済みで家族と麻衣と一緒に週末を楽しむことは特別なことじゃなくなっていた。

大学卒業と同時に就職した警備会社では辛いこともあったが何度も乗り越えた。
結婚という明確な目標があったわけだし麻衣を幸せにするのが俺の役目だと考えていたわけだから。
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