必然的な巡り合わせ 《 番外編 完結 》

相思

『望が好きだ。』


『・・えっ？』


抱きしめられている事で、

頭が。
体が。そして心も。


ふわふわと宙に浮いている感覚に陥っていた時に耳元で囁かれた言葉。



今ーー好きって・・言った？



それとも、願望が幻聴を引き起こした？


『好きだよ。』


再度同じ言葉を言われ、聞き間違いじゃないその言葉を頭がゆっくりと理解していく



『俺の恋人になって。』



まさか、夢にも思っていなかった言葉に無意識に涙がたまってそれをぐっと堪えた。


私もちゃんと伝えなくちゃいけない。




『・・だいぶ前から私も・・蓮さんが好きです！』


伝えたかった言葉を口にした途端、全身の血液が急加速しくかのように一気に熱を帯びる。



きっと今、顔が真っ赤になっている。



それを見られたくなくて、自ら遠慮がちに蓮さんの背中に腕をまわした。