修学旅行★幼なじみと甘いキス
え…――?


「…ん?あれ?
今向こうで【11】って…
!ちょっ、か、加奈子!!」

「あっ、わ、わたしだ…っ」


その言葉に
今まで鏡と対面しながらこっそりメイクを直していたあさみちゃんが

一瞬ピタ、とその手を止めたかと思うと

急いでバッ!とこっちを見た。


わたしもあわてて飛び起きるように立ち上がる。


「…おっ、まずは高橋ちゃんね」

「さァ気になるお相手22番は、どこのだ~れだ?」


一瞬目が合ったかと思うと
健くんに名前を呼ばれ

直哉くん含め、このバスに乗り合わせたみんながザワッと一斉にこっちを振り向く。


「……っ」


ドク、ドクン…ッ


ど、どどどうしよう…


ほ、ほんとに、
ほんとに当たっちゃった…;


でも、なったものはしょうがない。


だからせめてどうか
相手が同性同士でありますように!!


まるで誰かに強く祈るような気持ちで両手をかたく握りしめたまま、

わたしはひとりソワソワとペアになった人の姿を探す。


そのまましばらく立ち尽くしていると
前の方から突然
ガタン!と強い音がして席を立ったのは…



「……!」



――翔!?




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