修学旅行★幼なじみと甘いキス
え…――?
その声に、心臓がドキリとして
わたしは思わずハッと後ろを振り向く。
すると視界は今も暗がりの中、
わたしの目に一瞬…
でもすぐに気がついて見えたのは、…どこか真剣な翔の顔。
何も分からないまま部屋に飛び込んできたものの
まさかあの翔もわたしと同じ布団に隠れたとは思わなくて
ちょっとでも動いたら
それだけでお互い顔と顔がぶつかるんじゃないかって距離に
わたしは「!」と目を開いた。
「~~~っ」
「……」
とにかくビックリして
わたしはすぐにサッと前を向き直すと、今にもはちきれ出しそうな心臓の音をこらえる。
…それっきり、少しもここから動けないでいると、
しばらくしてソッ…、と
中で手探りしたように、翔が後ろからわたしの手に触れる。
そしてお互いの指を絡ますように、
翔のかたい骨ばった手が上から覆い被さったかと思うと、
そのままギュウッ、と力強く繋がれた。