修学旅行★幼なじみと甘いキス
「……」
そう思う間にも教室の黒板では
カシカシと白いチョークで書き進められていく、わたしの名前。
そのすぐ“隣”には
心なしか強調しているようにも見えてくる、翔の苗字。
その光景を前に
わたしはひどくめまいがしそうになった。
「今日の放課後、広瀬と高橋の二人には各クラスの実行委員を集めてのミーティングに参加してもらう」
すっかり気分が悪くなって
一人背中を丸めて座り込んでいると
チョークを動かす音が止んで先生の声がする。
今日の、放課後…?
――今日?
「!」
しばらく顔色が青ざめたまま話を聞いていたものの
その内容にわたしが思わずエッと顔をあげるのと
ほとんど変わらないタイミングで
先生はまるで釘をさすように、こう言った。
「くれぐれもどちらかが来なかったり、遅れる事のないように。いいな」