修学旅行★幼なじみと甘いキス
「…行くなよ。あいつの、いる所になんか。行くなよ…」

「……」

「それに…」


とにかく今はもう、翔の顔をまともに見られなくて。


ひたすら目を押しつぶって黙りこんだまま…


耐えられず、とっさにその手を振り払おうとしたものの
さっきよりも強い力で腕をつかみ直される。


「ッ……」

「多分…っつか、
もうほとんど…さっきのあれで
さすがの加奈子も、気づいたと思うけど」


ドクン、ドクン…


突然のことに、

この部屋に居合わせた全員が一斉に言葉をなくして、思わずシーンと静まり返る中


後ろでは、どこかぎこちない口調をした翔が
そのたびにギュウッと手に力を込めてきて
わたしの体に緊張が走る。


そのままひとり動けなくなるわたしに、

翔は少しの間を置いて
大きく息をはきだしたかと思うと、こう言った。



「俺はおまえの事が、好きだから」
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