修学旅行★幼なじみと甘いキス
「初めまして。あの、あたし、三浦って言います」

「さっきの広瀬くんのシュート、すっごく感動しました!」

「中学のときはサッカー部だったんですか?」



その話にビックリして顔をあげると


わたしのすぐ真横を、背を向けて立っていたのは
さっき翔のことを噂していた女の子たち…。


隣の席に座っていた翔をみんなで囲うようにして、次々と声をかけている。



「うそ~!」

「え~!」


キャアキャアと
嬉しそうにはしゃぐ女のコたちの声が次々とわいてくる中


わたしは思わず
チラリとその中心に座っている翔の顔色を伺ってみる。



すると、翔本人は正直言って

何だか…まんざらでもない様子。



さすがにそれこそ男友達と話しているときみたいな

はっちゃけたテンションではないものの


まだ昨日今日と会ったばかりなのにも関わらず

まるで本当は前から知り合いだったのかと思えるくらい

ごく普通に女の子たちと会話をしている翔がいたんだ。


幼なじみのわたしには、あんな風に話したりしないのに…。




「……」


なんだろう、この感じ…。



他の女の子たちと、ごく当たり前に話をしている翔の姿を目にした瞬間


わたしは突然胸の奥がザワザワして、

ムカムカするような…


うまく言葉にできない後味の悪さを感じたんだ。
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