修学旅行★幼なじみと甘いキス

「……」


それに気づいたわたしはとっさにケータイを閉じると、元いたポケットの中へとしまう。


そして思わずゴクッと息をのみこむと、

しばらくして春野先生がこっちへと向かってくる方へ、自分もゆっくりと歩き出した。



「……」



ドクン、ドクン…




“そういえば前、保健室に来たときは
たしか…“直哉くん”て言う男の子もいたはずだったと思うんだけど。あの子はどうしたの?
それともあたしの、気のせいだったかしら”


――何にせよまぁ、最近の高校生はムカつくらいマセてんのねぇ



昨日のやりとりの事もあり

内心は気まずさを隠せないながらも、これ以上怪しまれないよう、自分なりに平常心を装ってふるまう。


そのままだんだんとお互いの距離間が近づき、

それでもなるべく目線を合わさぬよう、ひたすら俯いたまま

ただ黙って足早に先生の真横を通り過ぎかけようとした…そのとき、

ほんの一瞬のすれ違いざま、春野先生がこう口を開いた。



「昨日はあれからどうしたのかしらー?」



< 424 / 473 >

この作品をシェア

pagetop