修学旅行★幼なじみと甘いキス
「…?翔…?」

「俺は戻っから」


今にも全部閉じてしまいそうな、重たいまぶたをこらえながら

ふと、うつむいていた顔を上げたわたしに向かって


目の前に映る翔は、ぶっきらぼうにそれだけ呟いたかと思うと


わたしの体を、シーツの上へと押し倒し

らしくもなく、かけ布団までかけてくれた。



そんな翔の姿を、わたしはベッドで仰向けにされたまま

何も言わず、ただ黙ってボンヤリと見つめる。




「……」


あ、れ…?


…なんか

優しい。


あの翔が、わたしに優しい。

夢でも見てるのかな。


こんな翔、今まで見たことないから

きっとそうだよね。


けど…、なんでだろう。


今見てるのが良い夢なら、まだちょっと…見てたいって思った。



もしもこれが悪い夢でも、もう少し。

あともう少しだけ、今は覚めないでいてほしい…。
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