修学旅行★幼なじみと甘いキス
お互い少し離れた場所から、一直線に重なる視線。


その先に映る翔は、

今も自転車のハンドルを握りしめて止まったまま、ジッとわたしを見ている。


「……」


瞬き一つしない、その強い瞳に

わたしはまるで魔法をかけられたみたいに、少しも目をそらせなくて。


しばらくそこで立ち尽くしたまま、ただ黙って翔のことを見つめていると

とつぜん翔はフンと口元を歪ませて、意地悪そうに笑った。


「しょぼいツラしてんじゃねーし。
ブスがブスに磨きかけてどーすんの?」

「!なっ…」

「つーか、早くしろよ。こっちは一時間も待ってんだよ」


目が合っていきなり、人に向かって言うこととは思えないような言葉を

翔はとても不機嫌そうなカオをして、平然とわたしにぶつけてきたかと思うと


今も自転車に乗りこんで停まったまま、無言でアゴを後ろへと動かし

そして、もう一度わたしを見た。
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