【完】アニキ、ときどきキス
kiss7 *美帆タイフーン*
「北原先生。おはよう」


教室で授業の準備をしていると、遥と直太朗がやってきた。


「あ、おはよう」


「望ちゃん、今日は早かったんだねえ」


直太朗が不思議そうに頭をひねる。


「今日は車で来たから」


「え?車?望ちゃん車持ってたんだ」


直太朗が私の側に寄ってきて、私の顔を覗き込んだ。


「え、いや、その・・・・・・」


山田先生の車で来たなんて言えず、私がオロオロしていると、遥が違う質問を投げかける。


「そういえば、昨日何かあったの?
アニキも私も心配だったんだよ?」


遥はしょんぼりと頭を下げる。

心なしかいつもピンと上を向いているちょんまげも、タランと下がっているように思えた。

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