ヒレン

決断

相手に伝えて。その言葉を胸に秘めながら季節は3度目の冬を迎えた。


あの後、講義やバイトの忙しさを理由に実家から遠ざかっていた。


たたいまのメールは変わらず送っていたが、声を聞く回数は格段に減った。


否減らしていた。


「まい~。今度さ一緒にバーゲン行かない?」


「うん。李音。コーデお願いしていい?」


「もちろん」


李音とは親友関係が続いている


「もう3年生もあと少しか」


「だね。あっという間だった。講義もきつくなってきたね」


「うん。でも少しずつ夢に近づいているって感じがして私は嬉しいかな」


李音と親しくなって彼女がこの道を選んだ詳しい理由を聞いた。



きっと李音ならそんな風に、あこがれた人のように成れると思う


「じゃ、またメールするね」


「うん」


マンションに帰り携帯を開く。


『ただいま』


もう癖になってしまっていた。


暫くしてたった一人のための音が鳴り響く


『おかえり』



私はどこに進みたいのだろう。どうしたら…




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