ヒレン
「シンちゃん?どうして?」


「さっき愛歌をつれてきたんだ。気分は?」


ベッドサイドに座り問いかける。


「さっきより楽。ありがとう」


そう言うとまた目を閉じた




「食欲は?何か食いたいものがあったら買ってくるけど」


小さく首を振った。


「何か食べないと。和真が帰ってくるまでに治したいんだろう?」


「・・・グレープフルーツゼリーとレモンジュース」


「わかった。鍵は?」


タオルを冷やしなおし、額にのせながら聞いた。


「入り口の林檎の中」


了解の合図代わりに2回軽く体をたたくと、秀明に声をかけ、二人は部屋を後にした。

< 71 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop