アナタダケ。

ジッと視線を逸らせずにいると
男がそれに気づいたのかこちらを鋭く見てくる。



目が合ったと思ったときには遅く、
男がこっちに向かってゆっくりと歩いてきていた。


どうしようと焦っていると、



「お前は誰だ」



目の前から声がする。

自分の敵だと思われたのだろうか。


男の纏う雰囲気があまりにも冷たく俯いた顔を上げれずにいると、


「殺されたいのか?さっさと言え」

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