ソレデモワタシハアナタヲアイス
女の友情
「やっぱり空人、ちょっとかわいそうだよ」
トイレで化粧を直しながら真由子が溜め息をついた。
「完全に私と隆太、お邪魔虫じゃん。来るんじゃなかったぁ~」
私は何も反論出来なかった。
「帰っても良い?」
けれど、この提案を受け入れるワケにはいかない。
「ちょっと待って!置いて帰るのは無し!」
私の慌てぶりに真由子が笑った。
「まぁ、今日は1日付き合うって約束だから一緒に居るけど。なんで1対1で会ってあげないの?絶対、空人、気合入れて来たよ?今日」
「…」
そんな事は分かっている。
駅で真由子と隆太を見た瞬間の空人の顔は、予想以上だった。
空人と今日の約束をして、私はすぐに真由子と隆太に助けを要求した。
空人と2人きりで出掛けるなんてまるでデートのようでかなり恥ずかしい。
そんなの無理に決まっている。
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