ソレデモワタシハアナタヲアイス
浮上する疑惑
「なんだってあの2人はこうも面倒なんだろうね」
美咲を追って飛び出した空人を見届けてから隆太は呆れた顔で溜め息をついた。
「本当だよね。最近ちょっと安定して来て良い感じかなって思ってたのに。まあ、ほとんど美咲が悪いんだけど」
私は苦笑いが隠せなかった。
「ねぇねぇ、マユちゃん、さっきのって本当?本郷さんと空人がって…」
一部始終を見ていたクラスメイトの女子数人が話し掛けて来た。
美咲と違ってちゃんとクラスメイトとの交流がある私は女友達からは「マユちゃん」と呼ばれている。
もちろん対人関係に何ら問題のない隆太は「隆太くん」、更に初対面でも馴れ馴れしいくらいの空人は男女問わず呼び捨てだった。
あまり関わりを持たない美咲は「本郷さん」で統一されている。
「あ、うん…たぶん皆に知られるのは美咲的には不本意だと思うけど付き合ってるのは本当だよ」
さすがにあんな現場を見せられた後にごまかすなんて事は出来ない。
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