【短編集】エーテルの底で





目的の教室前につくと何やら人だかりができていた。

不思議に思いながら、人の隙間をすりぬけていく。


やっとの思いでたどりついた絵に、あたしは言葉を失う。


口を手で覆い、見開いた瞳からは涙が際限泣く溢れだしてくる。


絵をしっかりみようとしても、涙で視界が曇ってみることができない。


立っていることができなくなって、ついには絵の前でしゃがみこんでしまった。



< 37 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop